この四つの文房具の中でも特に硯が重んじられ、多くの文人に愛でられる対象となった。
使用しても消耗することがなく、骨董価値が高かったためである。次に墨・紙という順で、筆は新しくないと実用的でないので骨董的な価値に乏しく、愛玩の対象とはあまりならなかった。










硯は見るだけでも楽しい。


気に入った筆を持てば、いつも書きたくなる。


墨はいい墨に出会うといろいろ工夫して書いてみたくなる。


書斎の周辺に気に入った小物を置いて楽しむ。


文房四寶
この四つの文房具の中でも特に硯が重んじられ、多くの文人に愛でられる対象となった。使用しても消耗することがなく、骨董価値が高かったためである。次に墨・紙という順で、筆は新しくないと実用的でないので骨董的な価値に乏しく、愛玩の対象とはあまりならなかった。

唐代においても硯や墨の優劣について論じたという記録があるが、南唐文化の影響を色濃く受けた宋代以降に文房四宝が語られることが多くなった。硯は端渓硯が最も有名であるが、歙州硯も同じくらい賞玩され、墨も歙州に名工と評される李超・李廷珪父子が名を馳せ、張谷もこの地に移ってきた。紙についても、歙州にて澄心堂紙という極めて良質の紙が産出された。宋初には硯・墨・紙について、歙州は代表的な生産地となっていた。これは南唐の国王である李中主・後主の親子2代にわたる工芸優遇政策によるところが大きい。工人に官位を与え俸禄を優遇したため、優秀な人材が集まり、技術が高度化して、優れた製品を継続的に生産できるようになったのである。

南唐期の文房四宝は歴代皇帝に珍重され、復元が試みられた。また、葉夢得・唐詢・欧陽脩・蘇軾・米?・蔡襄など著名な文人、書家も重用した。
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薛濤詩 四友贊


■四友贊

四友贊

(四つの文房寶具(筆・墨・紙・硯)を讃える。)

墨をするのは硯の丘でそのかたちは先生のおなか、その上で潤沢な色になるまで何度もこすります。それから筆にたっぷりと墨を含ませると鋒都尉の髷と頭のようです。良い硯で磨ったよい墨、良い用紙に良い筆で書を書くことで仲立ちをするとそのあとは暗いことでまったく暗い所で致すだけです。詩文によって草書体の書は畝ってうねってそれからやすみ、そしてやすみます。

四友贊

(四つの文房具(筆・墨・紙・硯)を讃える。)

磨潤色先生之腹,濡藏鋒都尉之頭。

墨をするのは硯の丘でそのかたちは先生のおなか、その上で潤沢な色になるまで何度もこすります。それから筆にたっぷりと墨を含ませると鋒都尉の髷と頭のようです。

引書媒而黯黯,入文畝以休休。

良い硯で磨ったよい墨、良い用紙に良い筆で書を書くことで仲立ちをするとそのあとは暗いことでまったく暗い所で致すだけです。詩文によって草書体の書は畝ってうねってそれからやすみ、そしてやすみます。


(四友【しゆう】の贊)

磨けば色潤わせるは 先生の腹,濡らせば鋒に藏して 都尉の頭。

引書 媒しては 黯黯【あんあん】たりて,入文 畝以って 休休たり。


   



薛濤詩『四友贊』 現代語訳と訳註

(本文)

四友贊

磨潤色先生之腹,濡藏鋒都尉之頭。

引書媒而黯黯,入文畝以休休。


(下し文)

(四友【しゆう】の贊)

磨けば色潤わせるは 先生の腹,濡らせば鋒に藏して 都尉の頭。

引書 媒しては 黯黯【あんあん】たりて,入文 畝以って 休休たり。


(現代語訳)

(四つの文房具(筆・墨・紙・硯)を讃える。)

墨をするのは硯の丘でそのかたちは先生のおなか、その上で潤沢な色になるまで何度もこすります。それから筆にたっぷりと墨を含ませると鋒都尉の髷と頭のようです。

良い硯で磨ったよい墨、良い用紙に良い筆で書を書くことで仲立ちをするとそのあとは暗いことでまったく暗い所で致すだけです。詩文によって草書体の書は畝ってうねってそれからやすみ、そしてやすみます。


(訳注)

四友贊 

1.(四つの文房具(筆・墨・紙・硯)を讃える。暗に、男女の性行為の描写をしつつ、花や文房具にすり替える。下ネタの歌)

2. 四友  文房四寶1 画題となる四つの花。雪の降るころに咲く玉椿・蝋梅(ろうばい)・水仙・山茶花(さざんか)。また、梅・松・竹・蘭(らん)。 2 四つの文房具。筆・墨・紙・硯(すずり)。 ..


磨潤色先生之腹,濡藏鋒都尉之頭。

墨をするのは硯の丘でそのかたちは先生のおなか、その上で潤沢な色になるまで何度もこすります。それから筆にたっぷりと墨を含ませると鋒都尉の髷と頭のようです。

3. ・磨潤 まさつ、ぬれる。

4. ・濡藏 ・濡:男女が愛情を交わす場面。また、その演出・演技。色模様よりも濃厚で、特に元禄期(1688〜1704)に上方の傾城買(けいせいか)い狂言の中で形成された。2 情事。色事。ぬれごとし

藏:1 中にしまっておく。隠して表に現さない。「蔵書・蔵匿/愛蔵・家蔵・死蔵・収蔵・所蔵・退蔵・貯蔵・内蔵・秘蔵・腹蔵・包蔵・埋蔵・冷蔵」

2 物をしまっておく建物。くら。「土蔵・宝蔵」

3 すべてを包括するもの。「経蔵・三蔵・律蔵」

4 大蔵省のこと。「蔵相」

〈くら(ぐら)〉「蔵元/穴蔵・金蔵・米蔵・酒蔵」

[名のり]おさむ・ただ・とし・まさ・よし


引書媒而黯黯,入文畝以休休。

良い硯で磨ったよい墨、良い用紙に良い筆で書を書くことで仲立ちをするとそのあとは暗いことでまったく暗い所で致すだけです。詩文によって草書体の書は畝ってうねってそれからやすみ、そしてやすみます。

5. ・媒 1 結婚をとりもつ。なこうど。「媒酌/良媒」2 仲立ちをする。「媒介・媒体/鳥媒花」3 仲立ちとなるもの。「触媒・溶媒・霊媒」

6. ・黯黯 くらく、またくらい。顔色を失う。心配で心配で心を痛める。

7. ・畝 1 作物を植えつけたり種をまいたりするため、畑の土を幾筋も平行に盛り上げた所。2 高い所と低い所が1のように平行して連なった物や形。波や地形・織物などにいう。草書体の事と性行為の掛けことばになる。

 





●文房四宝(ぶんぼうしほう)は、中国文人の文房趣味のひとつで筆墨硯紙の四つを指す。別に文房四友(ぶんぼうしゆう)という言い方もある。これらは文房具の中心であり、特に賞玩の対象となった。薛濤詩

●四宝 1 四つの宝。仏教では、金・銀・瑠璃(るり)・水晶をいう。2 筆記用具の四つ。筆・墨・硯(すずり)・紙。
四宝/四宝印
「一切皆苦」、「諸行無常」、「諸法無我」、「涅槃寂静」
すべてのものは、
因縁・因果によって絶えず変化し続けている(無常)。
決まった在り方を持たない(無我)。
人が苦しむのは、
移り変わるものに執着するからであり、
ありもしない「自分」というものにとらわれるから。
この真理を悟れば、苦から解放される(涅槃)。

●四友 文人画家、玉梅、蝋梅、水仙、山茶を一図に収めて四友と称す。何れも雪中花を開く植物なり。又菊、蓮、梅、蘭を画きて四友とすることあり。






この四つの文房具の中でも特に硯が重んじられ、多くの文人に愛でられる対象となった。使用しても消耗することがなく、
骨董価値が高かったためである。次に墨・紙という順で、筆は新しくないと実用的でないので骨董的な価値に乏しく、愛
玩の対象とはあまりならなかった。

唐代においても硯や墨の優劣について論じたという記録があるが、南唐文化の影響を色濃く受けた宋代以降に文房四
宝が語られることが多くなった。硯は端渓硯が最も有名であるが、歙州硯も同じくらい賞玩され、墨も歙州に名工と評さ
れる李超・李廷珪父子が名を馳せ、張谷もこの地に移ってきた。紙についても、歙州にて澄心堂紙という極めて良質の
紙が産出された。宋初には硯・墨・紙について、歙州は代表的な生産地となっていた。これは南唐の国王である李中
主・後主の親子2代にわたる工芸優遇政策によるところが大きい。工人に官位を与え俸禄を優遇したため、優秀な人材
が集まり、技術が高度化して、優れた製品を継続的に生産できるようになったのである。

南唐期の文房四宝は歴代皇帝に珍重され、復元が試みられた。また、葉夢得・唐詢・欧陽脩・蘇軾・米沛・蔡襄など
著名な文人、書家も重用した。








@  画題で、雪中に咲く玉椿・臘梅・水仙・山茶花さざんかの称。また、松・梅・竹・蘭をいう。
A  ものを書くための四つの文具。筆・紙・墨・硯をいう。

中国には職業画家の描いた絵を技法に走ったものとして批判し、文人(学問を修め文章をよくする人)が描いた絵を精神性が表出したものと高く評価する考えがある。「雪中四友」は、文人画に好んで描かれた早春に咲く梅、蝋梅、水仙、山茶花の4つの花をさす言葉である。
雪中四友とは、玉梅、臘梅、水仙、山茶をいふ、何れも雪中、厳寒を冒して開き香気馥郁たるものだからである。

三国時代、呉の若手で最も期待された「太子四友」がいる。孫権の太子である孫登の学友であり、将来は皇帝となる孫登を支える重臣の地位を約束されたものたちである。
一に、輔呉将軍という名誉職に就いていた孫権の側近・張昭の末子である張休、字は叔嗣。二に、大将軍である諸葛瑾の長子である諸葛恪、字は元遜。三に、丞相・顧雍の孫である顧譚、字は子黙。四に、偏将軍で殿として戦死した陳武の庶子である陳表、字は文奥。それぞれ名門の出身であり、才気が突出した若者である。
孫登太子は「四友」と兄弟のように接し、明るい未来に向けて共に育った。この「四友」を選んだのは、太子の養育係である張温であるが、宮廷内の評判はすこぶる悪い人間であった。しかし、この四人、何れもよい死に方をしていない。一緒に育った孫登が庇護してやらなかったからのである。

これに対して、曹丕の選んだ「四友」は魏に貢献、九品官人法を制定した 陳羣であり、文才豊かだった 呉質、はみ出し者の朱鑠、施政の顧問役、或は軍士である司馬懿の四人である。是は曹丕みずから選抜していることから、曹丕の才、能力の高さがわかる事柄であろう。






















鶴雲堂

Kakuun-do