田園楽七首其一 | 出入千門万戸、経過北里南隣。 燮喋鳴珂有底、啌洞散髪何人。 |
千門万戸に出入し、北里南隣を経過する。 鈴凛として珂【か】を鳴らす 底【なに】か有る、啌洞に髪を散ずるは 何人ぞ。 |
田園楽七首其二 | 再見封侯万戸、立談賜璧一双。 渠勝嵎耕南畝、如何高臥東窓。 |
再見して万戸の侯に封ぜられ、立談して璧一双を賜う。 渠【なん】ぞ勝らん南畝に嵎耕するに、如何ぞ 東窓に高臥すると。 |
田園楽七首其三 | 採菱渡頭風急、策杖村西日斜。 杏樹壇辺漁夫、桃花源裏人家。 |
菱を採れば 渡頭に風急に、杖を策けば 村西に日斜めなり。 杏樹壇辺の漁夫、桃花源裏の人家。 |
田園楽七首其四 | 萋萋芳草春緑、落落長松夏寒。 牛羊自帰村巷、童稚不識衣冠。 |
萋萋たる芳草春は緑に、落落たる長松 夏は寒し。 牛羊自ら村巷に帰り、童稚は衣冠を識らず。 |
田園楽七首其五 | 山下弧煙遠村、天辺独樹高原。 一瓢顔回陋巷、五柳先生対門。 |
山下は弧煙 遠村、天辺は独樹 高原。 一瓢の顔回は陋巷に、五柳先生は門に対す。 |
田園楽七首其六 | 桃紅復含宿雨、柳緑更帯春煙。 花落家童未掃、鶯啼山客猶眠。 |
桃は紅にして、復た宿雨を含み、柳は緑にして、更に春煙を帯ぶ。 花落ちて 家僮 未だ掃らわず、鶯啼いて 山客 猶(な)お 眠る。 |
田園楽七首其七 | 酌酒会臨泉水、抱琴好倚長松。 南園露葵朝折、東舎黄梁夜舂。 |
酒を酌んで会々【たまたま】泉水に臨み、琴を抱いて好し長松に倚る。 南園の露葵は朝に折り、東舎の黄梁は夜に舂【つ】く。 |
田園楽七首其六 | 桃紅復含宿雨、柳緑更帯春煙。 花落家童未掃、鶯啼山客猶眠。 |
桃は紅にして、復た宿雨を含み、柳は緑にして、更に春煙を帯ぶ。 花落ちて 家僮 未だ掃らわず、鶯啼いて 山客 猶(な)お 眠る。 |
楷書 |
行書 |
草書 |
篆書 |
隷書 |
自由 |
花 落 家 童 未 掃 |
花 落 家 童 未 掃 |
其一 孟城幼 |
新家孟城口、古木余衰柳。 来者復為誰、空悲昔人有。 |
新たに家す 孟城の口【ほとり】、古木は衰柳を余せり。 来者は復た誰と為す、空しく悲しむ昔人の有ゆう。 |
其二 華子岡 |
飛鳥去不窮、連山復秋色。 上下華子岡、惆悵情何極。 |
飛鳥は去って窮まらず、連山復た秋色。 華子岡を上下すれば、惆悵して情何んぞ極まらん。 |
其三 文杏館 |
文杏裁為粱、香茅結為宇。 不知棟裏雲、去作人間雨。 |
文杏を裁ちて粱と為し、香茅を結んで宇【いえ】と為す 知らず 棟裏の雲、去って人間の雨と作るを。 |
其四 斤竹嶺 |
檀欒映空曲、青翠漾漣猗。 暗入商山路、樵人不可知。 |
檀欒【だんらん】空曲に映じ、青翠漣猗【れんい】に漾【ただよ】う。 暗に商山の路に入るを、樵人【しょうじん】も知る可からず。 |
其五 鹿柴 |
空山不見人、但聞人語響。 返景入深林、復照青苔上。 |
空山 人を見ず、但だ人語の響くを聞くのみ。 返景 深林に入り、復た青苔の上を照らす。 |
其六 木蘭柴 |
結実紅且緑、復如花更開。 山中儻留客、置此茱萸杯。 |
実を結びて紅且つ緑なり、復た 花の更に開くが如し。 山中に儻【も】し客を留めば、此の茱萸【しゅゆ】の杯を置かん。 |
其七 茱萸拌 |
秋山歛余照、飛鳥逐前侶。 彩翠時分明、夕嵐無処所。 |
秋山は余照を歛【おさ】め、飛鳥は前侶を逐う。 彩翠時に分明にして、夕嵐【せきらん】の処(お)る所無し。 |
其八 宮塊陌 |
仄径蔭宮槐、幽陰多緑苔。 膺門但迎掃、畏有山僧来。 |
仄径は宮槐の蔭にして、幽陰に緑苔多し。 膺門は但だ迎掃す、山僧の来る有るを畏る。 |
其九 臨湖亭 |
軽舸迎上客、悠悠湖上来。 当軒対尊酒、四面芙蓉開。 |
軽舸もて上客を迎え、悠悠湖上に来る。 軒に当たって尊酒に対するに、四面 芙蓉(ふよう)開く。 |
其十 南 陀 |
軽舟南陀去、北陀E難即。 隔浦望人家、遥遥不相識。 |
軽舟もて南陀に去く、北陀はE【びょう】として即【つ】き難し。 浦を隔てて人家を望めど、遥遥として相い識らず。 |
其十一 欹 湖 |
吹簫凌極浦、日暮送夫君。 青山巻白雲、湖上一回首。 |
簫を吹いて極浦)を凌ぎ、日暮に夫【か】の君を送る。 青山に白雲巻けり、湖上 一たび首を回らせば。 |
其十二 柳 浪 |
行分接綺樹、倒影入清猗。 不学御溝上、春風傷別離。 |
行【こう】分かれて綺樹接し、倒影して清猗【せいい】に入れり。 学ばず 御溝の上【ほとり】、春風に 別離を傷むことを。 |
其十三 欒家瀬 |
颯颯秋雨中、浅浅石溜瀉。 波跳自相濺、白鷺驚復下。 |
颯颯たる秋雨の中、浅浅(せんせん)として石溜に瀉ぐ 波は跳って自ら相い濺【そそ】ぎ、白鷺は驚きて復た下【くだ】れり。 |
其十四 金屑泉 |
清浅白石灘、緑蒲向堪把。 家住水東西、浣紗明月下。 |
清浅なり 白石の灘、緑蒲は把るに堪うるに向かえり。 家は住す 水の東西、紗を浣う 明月の下。 |
其十五 白石灘 |
北陀湖水北、雑樹映朱欄。 逶斜南川水、明滅青林端。 |
北陀は湖水の北、雑樹朱欄に映ぜり。 逶斜たり 南川の水、明滅す 青林の端。 |
其十六 北 陀 |
独坐幽篁裏、弾琴復長嘯。 深林人不知、明月来相照。 |
独り坐す 幽篁の裏、琴を弾じ復た長嘯す。 深林人知らず、明月来って相い照らす。 |
其十七 竹里館 |
独坐幽篁裏、弾琴復長嘯。 深林人不知、明月来相照。 |
独り坐す 幽篁の裏、琴を弾じ復た長嘯す。 深林人知らず、明月来って相い照らす。 |
其十八 辛夷塢 |
木末芙蓉花、山中発紅萼。 澗戸寂無人、紛紛開且落。 |
木末の芙蓉花、山中紅萼を発す。 澗戸寂として人無し、紛紛として開き且つ落つ。 |
其十九 漆園 |
古人非傲吏、自闕経世務。 惟寄一微官、婆娑数株樹。 |
古人傲吏に非ず、自ら経世の務めを闕【か】けり。 惟だ一微官【いちびかん】に寄りて、婆娑たり数株の樹。 |
其二十 椒園 |
桂尊迎帝子、杜若贈佳人。 椒漿奠瑶席、欲下雲中君。 |
桂尊もて帝子を迎え、杜若を佳人に贈る。 椒漿を瑶席に奠し、雲中君を下さんと欲す。 |
其十三 欒家瀬 |
颯颯秋雨中、浅浅石溜瀉。 波跳自相濺、白鷺驚復下。 |
颯颯たる秋雨の中、浅浅(せんせん)として石溜に瀉ぐ 波は跳って自ら相い濺【そそ】ぎ、白鷺は驚きて復た下【くだ】れり。 |
楷書 |
行書 |
草書 |
篆書 |
隷書 |
自由 |
白 鷺 驚 復 下 |
白 鷺 驚 復 下 |
新年の祝い | 出産の祝い | 結婚祝い | |
新築祝い | 開店・創業・ | 受賞・栄転 | |
長寿祝い | 入学・進学祝い | 卒業・成人 | |
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抒情 | 情愛 | 自戒・励まし | |
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